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今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
E型肝炎の現状
著者: 長嶋茂雄1 岡本宏明1
所属機関: 1自治医科大学医学部感染・免疫学講座 ウイルス学部門
ページ範囲:P.1380 - P.1386
文献購入ページに移動●E型肝炎ウイルス(HEV)はブタやイノシシなどの動物にも感染する人獣共通感染症ウイルスである.家畜ブタや野生動物(イノシシ,シカ)の肉や内臓が食物媒介性E型肝炎の主な感染源となる.
●E型肝炎の診断には,酵素免疫測定法(ELISA)を用いたIgMクラスやIgAクラスのHEV抗体の検出とRT-PCR法によるHEV RNAの検出が有用である.2011年10月にIgAクラスHEV抗体検出キットが保険適用され,臨床現場での診断が可能になっている.
●E型肝炎はHEVによる急性肝炎であるが,臓器移植患者や免疫不全患者では慢性感染を引き起こすことがある.
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