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文献概要
元外科医のつぶやき・11
手術直前の心境
著者: 中川国利1
所属機関: 1宮城県赤十字血液センター
ページ範囲:P.1445 - P.1445
文献購入ページに移動 PSA検査で前立腺癌がみつかり,紹介先の大学病院で手術を受けることになった.しかし,手術予定者が多いため,手術は2カ月以上も先となった.病状の進展を危惧しながらも,通常の仕事をこなすことにした.
手術の1カ月前に,心電図や肺機能を含む術前検査を行った.特に問題ある検査結果はないと考えていたが,検査の3日後に外来を受診してほしいという留守番電話があった.受診する理由が何であるのか大いなる不安を感じた.そもそも,3カ月前に施行したMRI検査では前立腺被膜を越えて進展しており,病期はT3aの高リスク群に該当した.したがって手術適応はなく,大学病院ではホルモン療法を6カ月間施行後に放射線療法を2カ月間行うのが一般的であると説明を受けた.しかし,手術を多数手掛ける教授の熟慮の末,手術に至った経緯がある.
手術の1カ月前に,心電図や肺機能を含む術前検査を行った.特に問題ある検査結果はないと考えていたが,検査の3日後に外来を受診してほしいという留守番電話があった.受診する理由が何であるのか大いなる不安を感じた.そもそも,3カ月前に施行したMRI検査では前立腺被膜を越えて進展しており,病期はT3aの高リスク群に該当した.したがって手術適応はなく,大学病院ではホルモン療法を6カ月間施行後に放射線療法を2カ月間行うのが一般的であると説明を受けた.しかし,手術を多数手掛ける教授の熟慮の末,手術に至った経緯がある.
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