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今月の特集2 血算値判読の極意
自動血球計数装置のスキャッタグラムを用いた新たな診断的意義の確立
著者: 片岡浩巳1
所属機関: 1高知大学医学部附属医学情報センター
ページ範囲:P.181 - P.187
文献購入ページに移動●全血球計算(CBC)スキャッタグラムは,細胞などの粒子を流体中に流し,個々の粒子を光学的に分析する方法を用いる.レーザーを照射し,前方および側方散乱光や側方蛍光を計測し,それぞれの計測データをプロットした図をスキャッタグラムと呼ぶ.CBCの計測器の種類によって測定原理が異なり,それぞれの機種ごとにパターンが異なる.
●FCSとはflow cytometry data file standardの略で,フローサイト法から得られる計測生データの標準フォーマットで,1984年に作成されて以来,バージョンアップを重ね,現在,FCS 3.1が最新バージョンとして利用されている.計測された個々の細胞に対する計測データを入手することができ,細かい解析を行うことができる.
●ROC分析とはreceiver operating characteristicの略で,受信者操作特性と呼ばれ,潜水艦のソナーの特性を評価する目的で開発された技術である.臨床検査分野では,検査値と病名との関係を評価する検査診断特性として,最も基本的な分析方法である.連続値のカットオフ値を可変させ,各値の感度と特異度を計算することで求めることができる.
●FCSとはflow cytometry data file standardの略で,フローサイト法から得られる計測生データの標準フォーマットで,1984年に作成されて以来,バージョンアップを重ね,現在,FCS 3.1が最新バージョンとして利用されている.計測された個々の細胞に対する計測データを入手することができ,細かい解析を行うことができる.
●ROC分析とはreceiver operating characteristicの略で,受信者操作特性と呼ばれ,潜水艦のソナーの特性を評価する目的で開発された技術である.臨床検査分野では,検査値と病名との関係を評価する検査診断特性として,最も基本的な分析方法である.連続値のカットオフ値を可変させ,各値の感度と特異度を計算することで求めることができる.
参考文献
1)巽典之:白血球計測学,シスメックス,2009
2)Murphy RF, Chused TM:A proposal for a flow cytometric data file standard. Cytometry 5:553-555,1984
3)Spidlen J, Moore W, Parks D, et al:Data File Standard for Flow Cytometry, version FCS 3.1. Cytometry A 77:97-100,2010
4)R Development Core Team:R:A language and environment for statistical computing. R Foundation for Statistical Computing, Vienna, Austria, ISBN 3-900051-07-0,2005(http://www.R-project.org)
5)片岡浩巳,畠山豊,奥原義保,他:情報技術を駆使した日常検査データからのエビデンスの探索.臨病理 60:698-706,2012
6)片岡浩巳:検査情報からの新たなエビデンス創造 大規模データへのIT技術の応用.臨検 57:510-517,2013
7)片岡浩巳:白血球粒度のパターン解析.臨検 49:1486-1494,2005
8)片岡浩巳,畠山豊,奥原義保,他:CBC検査の尤度マトリクス距離を用いた胃癌マーカ検査としての評価.医療情報学 32:624-627,2012
9)Furundarena JR, Araiz M, Uranga M, et al:The utility of the Sysmex XE-2100 analyzer’s NEUT-X and NEUT-Y parameters for detecting neutrophil dysplasia in myelodysplastic syndromes. Int J Lab Hematol 32:360-366,2010
10)片岡浩巳,越智康浩,畠山豊,他:CBC網赤血球計測チャンネルを用いた膵臓疾患の病態把握.医療情報学連大会論集 33:590-593,2013
11)片岡浩巳,越智康浩,畠山豊,他:インフルエンザの流行と同期するCBCスキャッターグラムパターン.臨病理 61:306,2013
12)片岡浩巳,越智康浩,畠山豊,他:白血球粒度パターンを用いた抗生剤迅速効果判定法.臨病理 62:128,2014
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