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文献詳細

雑誌文献

臨床検査59巻8号

2015年08月発行

文献概要

今月の表紙

Langerhans島はなぜ膵臓内にあるの?(腺房)

著者: 島田達生12

所属機関: 1大分大学 2大分医学技術専門学校

ページ範囲:P.722 - P.722

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 Paul Langerhans(1847〜1888年)は,ベルリン大学の医学生のときに膵臓の伸展標本で未知の細胞集団(膵島)を発見し,それはのちに,Langerhans島と呼ばれようになった.表皮内に散在するLangerhans細胞(樹状細胞)も,彼が塩化金を用いた染色で見いだしたものである.

 写真は,ラット膵臓外表面の走査電子顕微鏡像.小さな膨らみをもった多くの腺房が見える.三角形の膵小葉をよくみると,腺房間に細い毛細血管が走っている.膵島は小葉内に分布し,写真では腺房に隠れて見えない.膵臓の微小循環を見てみると,血液は膵小葉内の細動脈からまず膵島の毛細血管網を流れ,続いて膵島を出て,周囲の腺房毛細血管に入り,細静脈に達する.すなわち,膵島のB細胞から分泌された高濃度のインスリンは,膵島の毛細血管から腺房の毛細血管に流れ,腺房に作用して膵液の分泌を促す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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