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文献詳細

雑誌文献

臨床検査6巻11号

1962年11月発行

文献概要

医学常識

輸血に必要な血液型抗原と抗体(6)

著者: 竹内直子1 保木本幸子1 大野公子1

所属機関: 1虎の門病院輸血部

ページ範囲:P.761 - P.763

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VI.抗クロブリン試験(Coombs test)
 抗グロブリン試験は,1945年に再発見されて以来,免疫血液学における近年の大発見であることが認められている。この試験によって多くの新しい血液型が発見・記載され,また実用面においても,多くの生命がこの試験の感度が増すことによって救われているのである。この試験の改良に尽力した(Coombs, Mourant, RaceはRh式抗体を見い出すためのより感度の高い方法が必要だという要求にこたえたのである。当時,ABO式やRh式血液型の不適合だけでは説明のできない溶血性疾患をいろいろな人たちが経験したり,また抗—Rh抗体と明らかにわかっている場合でも,検出することができなかった例などがたくさんあったのである。これらの検査の記載にあたり,新しい血液型であるKell式血液型を彼らの例の中から載せたことは大変意義のあることである。
 この試験の原理は簡単なものである。3名(Coombs,Mourant,Race)の研究者たちは,抗体はグロブリンであるから,精製されたグロブリンを動物に注射してやれば,グロブリンに対して,また血漿や血清のグロブリン部分に対して抗体を作るであろう。そしてまた,もし抗体が赤血球に吸着されているならば,赤血球に付着したヒト抗体として動物血清による抗ヒト血清との反応として示されるであろうと考えたのである(この場合の赤血球は反応の指示薬の役目をするに過ぎないのである)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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