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異染性(metachromasia)とその染色法について
著者: 春日孟1 太田邦夫1
所属機関: 1癌研究所病理部
ページ範囲:P.245 - P.249
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組織や細胞の染色理論は現在のところ,充分に解明できていない。多くの場合,固定された蛋白と色素化合物が結合して,その状態で色素化合物の発色団が具現することによって染色が,その場所にあらわれる。
一つの組織の中で異なった成分にちがった色調をもたせることは,組織を染色して観察する場合の基礎的な現象であるが,実際に用いられる組織染色は多く重染色であって,一つの色素がある蛋白体をより濃く染め,他の色素が別の蛋白体をより濃く染めることを利用している。二つの色素が同じ程度に一つの組織を染めると,この重なり合いは,あたかも二種の絵具と混合したように,たとえば青と黄色で緑が出るように複合色として出る。このことは日常用いられる組織の染色で経験されるところである。
組織や細胞の染色理論は現在のところ,充分に解明できていない。多くの場合,固定された蛋白と色素化合物が結合して,その状態で色素化合物の発色団が具現することによって染色が,その場所にあらわれる。
一つの組織の中で異なった成分にちがった色調をもたせることは,組織を染色して観察する場合の基礎的な現象であるが,実際に用いられる組織染色は多く重染色であって,一つの色素がある蛋白体をより濃く染め,他の色素が別の蛋白体をより濃く染めることを利用している。二つの色素が同じ程度に一つの組織を染めると,この重なり合いは,あたかも二種の絵具と混合したように,たとえば青と黄色で緑が出るように複合色として出る。このことは日常用いられる組織の染色で経験されるところである。
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