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文献詳細

雑誌文献

臨床検査6巻4号

1962年04月発行

文献概要

製品紹介

赤外線顕微鏡とその医学への応用

著者: 原島治1

所属機関: 1日本電気株式会社通信技術研究所

ページ範囲:P.277 - P.279

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はしがき
 人間の目に見える波長は3,800〜7,600Åの範囲で,普通の顕微鏡ではこの間の波長しか見えない。もし紫外線あるいは赤外線まで見えるようになれば,医学における顕微鏡の利用の範囲はもっと広がることであろう。ここに述べる赤外線顕微鏡は可視光線から13,000Åまでの赤外線が見えるようにしたもので,顕微鏡で拡大した赤外線像をイメージ管という電子管をもちいて可視光線像に変換するものである。倍率は最大約1,000倍が得られる。普通の赤外線写真では有効波長はたかだか9,000Åで,写真にとって現像しないと像は見えないが,本装置では赤外像を直接見ることができ,普通のフィルムで写真をとることができる点に特徴がある。
 赤外線は可視光線より透過度がよく,とくに有機物はよく透す性質がある。従って普通の顕微鏡で見ることのできない試料の内部を観察することができる。またある生物体は特定の波長の赤外線を吸収するので,この模様を顕微鏡で拡大して見ることにより,医学の診断に応用することができる。このほか可視光線を当ててはいけない試料を見るときなど,この装置は便利である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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