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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻10号

2016年10月発行

文献概要

今月の特集1 血球貪食症候群を知る

血球貪食症候群の病理診断

著者: 松本慎二1 竹下盛重2

所属機関: 1福岡大学病院病理部・病理診断科 2福岡大学医学部病理学

ページ範囲:P.1070 - P.1077

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Point

●血球貪食症候群(HPS)の骨髄では,種々の血球を貪食した活性化組織球の著明な増殖がみられるが,その病理診断で最も重要な点は腫瘍性と非腫瘍性の鑑別である.

●非腫瘍性HPSの最も重要な原因ウイルスとしてEBウイルス(EBV)感染が知られているが,小児発生が一般的で,成人における発生率は高くない.

●HPSを併発しやすい悪性リンパ腫として,血管内大細胞型B細胞性リンパ腫(IVLBCL)やEBV感染に関連の深いT/NK細胞性リンパ腫が重要である.

参考文献

1)松本慎二:血液疾患におけるリンパ節病変の見方・考え方.エビデンス血液形態学(阿南建一,亀岡孝則,須田正洋監),近代出版,pp164-181,2014
2)竹下盛重,菊池昌弘:血球貪食症候群を伴う末梢性T細胞リンパ腫.新・悪性リンパ腫アトラス(須知泰山,菊池昌弘,三方淳男,他編),文光堂,pp211-213,2000
3)河野理子,鈴宮淳司,大島孝一:血球貪食症候群の病理学.血腫瘍 52:245-250,2006
4)大島孝一,清水桂,河野理子,他:血球貪食症候群の病理学.血腫瘍 57(suppl.6):53-62,2008
5)木村宏:EBウイルス関連T/NKリンパ増殖性疾患に関する最新知見.小児感染免疫 24:291-296,2012
6)大賀正一:EBウイルス感染T/NK細胞リンパ増殖症.福岡医誌 102:41-47,2011
7)Swerdlow SH, Campo E, Pileri SA, et al:The 2016 revision of the World Health Organization classification of lymphoid neoplasms. Blood 127:2375-2390,2016
8)鈴宮淳司:侵攻性NK細胞性白血病.リンパ腫アトラス 改訂・改題第4版(森茂郎監,大島孝一,竹内賢吾,田丸淳一,他編),文光堂,pp172-173,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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