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今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る
ウイルス性胃腸炎
著者: 津川毅1
所属機関: 1札幌医科大学医学部小児科学講座
ページ範囲:P.1106 - P.1111
文献購入ページに移動●ふん便を用いたウイルス性胃腸炎のPOCTが可能なウイルスはロタ/ノロ/アデノウイルスであり,イムノクロマト法が主流となっている.
●ロタウイルスは便中の抗原量も多く,抗原の変異も少ないため,迅速診断での感度・特異度とも良好であるが,ワクチン株と野生株との鑑別はできない点には注意が必要である.
●ノロウイルスは抗原の多様性が大きく,迅速診断では検出が難しい遺伝子型も存在するため,結果の解釈に注意が必要である.
●アデノウイルスの迅速診断では共通抗原を認識していることから,腸管型以外のアデノウイルスも陽性となるため,結果の解釈には注意が必要である.
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