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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻10号

2016年10月発行

文献概要

今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

ウイルス性胃腸炎

著者: 津川毅1

所属機関: 1札幌医科大学医学部小児科学講座

ページ範囲:P.1106 - P.1111

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Point

●ふん便を用いたウイルス性胃腸炎のPOCTが可能なウイルスはロタ/ノロ/アデノウイルスであり,イムノクロマト法が主流となっている.

●ロタウイルスは便中の抗原量も多く,抗原の変異も少ないため,迅速診断での感度・特異度とも良好であるが,ワクチン株と野生株との鑑別はできない点には注意が必要である.

●ノロウイルスは抗原の多様性が大きく,迅速診断では検出が難しい遺伝子型も存在するため,結果の解釈に注意が必要である.

●アデノウイルスの迅速診断では共通抗原を認識していることから,腸管型以外のアデノウイルスも陽性となるため,結果の解釈には注意が必要である.

参考文献

1)津川毅,堤裕幸:ウイルス性胃腸炎のワクチンによる予防.臨検 57:77-84,2013
2)Package Insert - Adenovirus Type 4 and Type 7 Vaccine, Live, Oral. Revised: 03/2011. Manufactured by Barr Labs, Inc. Distributed by Teva Pharmaceuticals USA, Inc.
3)中込治,佐々木絵理子,中込とよ子:ウイルス性胃腸炎の疫学.臨検 57:58-64,2013
4)Kroneman A, Vega E, Vennema H, et al:Proposal for a unified norovirus nomenclature and genotyping. Arch Virol 158:2059-2068,2013
5)藤本嗣人,井手忍,柴原乃奈,他:アデノウイルス胃腸炎.臨と微生物 40:161-164,2013
6)中田修二:腸管アデノウイルス,サポウイルス感染症.小児内科 46:97-101,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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