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元外科医のつぶやき・22
血液の緊急搬送
著者: 中川国利1
所属機関: 1宮城県赤十字血液センター
ページ範囲:P.1117 - P.1117
文献購入ページに移動 日本赤十字社は血液の必要時には必ず供給することを公約している.そこで,私が勤務する宮城県赤十字血液センターでは定期便として,午前9時30分までの発注分は12時までに,13時30分までの発注分は16時までに届けている.また,臨時の発注にも随時対応しており,通常走行による臨時便や,さらには,直ちに輸血しないと生死にかかわる場合にはサイレンを鳴らしての緊急搬送も行っている.なお,遠隔地の医療機関からの緊急要請に対しては,発注から多くは30分以内に,遠隔地でも1時間半以内に届けている.
宮城県内の血液供給量は過去10年間,ほぼ一定であるにもかかわらず,臨時供給回数は近年,増加しつつあり,2005年度の5,563件から2014年度は7,958件に増加した.特に緊急搬送は371件から524件に増加した.対応策として人員や供給車両を増やしているが,休日や夜間には対応が困難な事態が懸念される.また,血液センターの車両は一般車両と比較して事故率が2倍を超えており,血液センターでは緊急搬送中に交差点での交通事故で職員が殉職したことさえあった.
宮城県内の血液供給量は過去10年間,ほぼ一定であるにもかかわらず,臨時供給回数は近年,増加しつつあり,2005年度の5,563件から2014年度は7,958件に増加した.特に緊急搬送は371件から524件に増加した.対応策として人員や供給車両を増やしているが,休日や夜間には対応が困難な事態が懸念される.また,血液センターの車両は一般車両と比較して事故率が2倍を超えており,血液センターでは緊急搬送中に交差点での交通事故で職員が殉職したことさえあった.
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