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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻10号

2016年10月発行

文献概要

検査レポート作成指南・14

血清蛋白分画検査編

著者: 藤田清貴12 長田誠2

所属機関: 1群馬パース大学大学院保健科学研究科病因・病態検査学領域 2群馬パース大学保健科学部検査技術学科

ページ範囲:P.1118 - P.1124

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 近年,疾患プロテオーム研究によって,微量成分も含めて,構造や性状の異なる5,000種類以上の蛋白が検出・同定できるようになった.これらの蛋白は種々の機能を有しており,体液の浸透圧維持や物質の結合と輸送,抗体活性など成分によって機能分担して,生体内における生命維持において大きな役割を演じている.さらに血清蛋白は,さまざまな病態に際して量的,あるいは質的に特徴的な変化を示す.したがって,血清蛋白の異常を見逃すことなく捉え,適切に検索を進めることは患者の病態を正しく把握するうえで極めて大切なことである.その代表的なスクリーニング検査法として血清蛋白分画検査がある.

 血清蛋白分画の測定には,従来はセルロース・アセテート膜(以下,セ・ア膜)電気泳動法が広く用いられていたが,セ・ア膜の製造が縮小傾向にあり,アガロース電気泳動法やキャピラリー電気泳動法を使用する施設も増えてきた.血清蛋白分画検査ではアルブミンおよびα1,α2,β,γの各グロブリンの分画比とデンシトメトリーによる峰の形状によって病態を把握する.

参考文献

1)藤田清貴:血清蛋白分画検査.日常検査で遭遇する異常蛋白質 基礎から発見・解析法まで,医歯薬出版,pp13-18,2010
2)藤田清貴:Bence Jones蛋白.Medicina 52:144-146,2015
3)林由里子,田中寿幸,藤田清貴:免疫グロブリン.Medicina 52:136-138,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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