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雑誌詳細

文献概要

増刊号 心電図が臨床につながる本。 Ⅱ章 波形からみた心電図[1] 心臓の器質的疾患Plus

ST低下と陰性T波

著者: 川上将司1 安田聡1

所属機関: 1国立研究開発法人国立循環器病研究センター病院心臓血管内科部門

ページ範囲:P.1205 - P.1211

Overview

・ST低下と陰性T波(図1)は,心筋虚血,たこつぼ型心筋症,左室肥大,薬剤,電解質異常のほか,さまざまな誘因で起こりうる.

・虚血性心疾患において,ST低下所見のみでは冠動脈責任病変の同定は困難である.

・巨大陰性T波では,冠動脈疾患の可能性を常に念頭に置いておくとともに,たこつぼ型心筋症との鑑別が必要となる.

・心電図所見のみならず,心電図が施行された背景・臨床状況も加味して判断することが重要である.

参考文献

1)Mann DL, Zipes DP, Libby P, et al:Braunwald’s heart disease: a textbook of cardiovascular medicine, 10th ed. Saunders, Philadelphia, pp123-148, 2014
2)日本循環器学会,日本医学放射線学会,日本核医学会,他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2007-2008年度合同研究班報告) 冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン,日本循環器学会,2009
3)日本循環器学会,日本冠疾患学会,日本胸部外科学会,他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告) 非ST上昇型急性冠症候群の診療に関するガイドライン(2012年改訂版),日本循環器学会,2012
4)安田聡:CCUグリーンノート,中外医学社,2015

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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