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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻11号

2016年10月発行

文献概要

増刊号 心電図が臨床につながる本。 Ⅲ章 波形からみた心電図[2] 不整脈関連Plus

QRSの脱落

著者: 杉本健一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター中央検査部

ページ範囲:P.1233 - P.1239

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Overview

 QRSの1拍の脱落は心電図上,突然出現するRR間隔の延長として記録される.突然,RR間隔が延長する病態は,①洞不整脈(呼吸性不整脈),②洞房ブロックあるいは洞停止,③房室ブロックを伴った心房期外収縮〔APC(atrial premature contraction) with block〕,④2度房室ブロックの4つの機序が大半を占めている.

 突然出現したRR延長診断のフローチャートを図1に示す.延長前の最後のQRSと延長後の最初のP波の間に,P波があるのかどうかが鑑別の主眼となる.なければ,①洞不整脈(呼吸性不整脈)か②洞房ブロックあるいは洞停止,P波があれば③APC with blockか④2度房室ブロックのどちらかと診断できる.早期性が強い異所性PならばAPC with block,P波が洞性Pなら2度房室ブロックと診断され,さらに,2度房室ブロックであればWenckebach型かMobitzⅡ型かの鑑別が必要となる.

参考文献

1)二宮雄一:呼吸性不整脈.Electrocardiography A to Z(清水渉,村川裕二,弓倉整編),医学書院,pp178-181,2015
2)Olgin JE, Zipes DP:Specific arrhythmias: Diagnosis and Treatment. Braunwald’s Heart Disease (Mann DL, Zipes DP, Libby P, et al, eds), Elsevier,pp792-797,2015
3)杉本健一:徐脈性不整脈.臨検 60:278-286,2016
4)Ken Grauer,Daniel Cavallaro(著),高尾信廣(訳):不整脈判読トレーニング,医学書院,pp57-65,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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