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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻11号

2016年10月発行

文献概要

増刊号 心電図が臨床につながる本。 Ⅲ章 波形からみた心電図[2] 不整脈関連Plus

徐脈—P波の有無・QRSのつながり①

著者: 荒川修司1 深江学芸1

所属機関: 1長崎大学病院循環器内科

ページ範囲:P.1267 - P.1271

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Overview

 徐脈は,心拍数が60回/分未満に低下した状態と定義されるが,臨床的には50回/分未満を指すことが多い.徐脈性不整脈は洞結節の異常による洞不全症候群と,房室結節以下の伝導障害をきたした房室ブロックが代表的である.その他,心房細動において通常は頻脈傾向を示すものが多いが,降圧剤などの薬剤による影響や加齢に伴う房室伝導能の低下によって徐脈傾向を示す場合がある.

 徐脈による循環動態への影響は症例によってさまざまである.比較的若年で基礎心疾患を有さない患者では症状が軽く,経過観察ですむ場合もあれば,他方では至急治療を要することがあるため,スピーディーな心電図判読が望まれる.ある程度キャリアがある医療従事者は,異常を察知した検査室からの素早い一報で事なきを得た経験をおもちのことと思う.

参考文献

1)小沢友紀雄:不整脈トレーニング 第3版,中外医学社,2003
2)田中義文:成り立ちから理解する心電図波形 心筋の活動電位を読み解く,学研メディカル秀潤社,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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