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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻3号

2016年03月発行

文献概要

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編

徐脈性不整脈

著者: 杉本健一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター中央検査部

ページ範囲:P.278 - P.286

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Point

●規則的な徐脈の原因は,洞機能不全症候群(SSS)の洞性徐脈,生理的洞性徐脈,非伝導性心房期外収縮の2段脈,洞房ブロック,房室ブロックの5つのメカニズムだけである.常にこの5つの病態を鑑別しなければならない.

●Wenckebach型房室ブロックとMobitzⅡ型房室ブロックの鑑別は,非伝導性P波の前後のPQ間隔を比較して診断する.

●3度房室ブロックは,RR間隔が一定であることが特徴であり,RR間隔に変動があれば2度房室ブロックの可能性が高い.

●徐脈性不整脈に対するペースメーカ植え込みの適応は,徐脈による症状の有無がポイントになる.

参考文献

1)Rubenstein JJ, Schulman CL, Yurchak PM, et al:Clinical Spectrum of the Sick Sinus Syndrome. Circulation 46:5-13,1972
2)ヘンリー・J.L.マリオット(著):マリオット わかる心電図 判読のポイントとピットフォール(村松準監訳),医学書院MYW,pp2-3,1998
3)Miyanaga S, Yamane T, Date T, et al:Impact of pulmonary vein isolation on the autonomic modulation in patients with paroxysmal atrial fibrillation and prolonged sinus pauses. Europace 11:576-581,2009
4)横式尚司:房室ブロック.不整脈概論 専門医になるためのエッセンシャルブック(池田隆徳,山下武志編),メジカルビュー社,pp254-255,2013
5)Yamashita S, Yamane T, Matsuo S, et al:Improvement of atrioventricular conduction following catheter ablation of atrioventricular nodal reentry tachycardia in a patient with a prolonged PR interval. Heart Vessels 28:120-125,2013
6)日本循環器学会,日本胸部外科学会,日本人工臓器学会,他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2010年度合同研究班報告) 不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版),pp11-12,2011
7)Ken G, Daniel C著:不整脈判読トレーニング(高尾信廣訳),医学書院,pp183-184,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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