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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻4号

2016年04月発行

文献概要

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査

血漿蛋白沈着病としての全身性アミロイドーシス

著者: 山田俊幸1

所属機関: 1自治医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.394 - P.398

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Point

●全身性アミロイドーシスとは,血漿蛋白がその量的・質的異常によりアミロイド線維化して全身組織に沈着する病態である.

●量的異常には,モノクローナルに増加した免疫グロブリンL鎖によるAL型,血清アミロイドAによるAA型,β2-ミクログロブリン(β2m)によるAβ2m型がある.

●質的異常には,変異トランスサイレチンによるもの,まれではあるが他の血漿蛋白の遺伝子異常に起因するものがある.

●アミロイドーシスの診断は病理組織学的に行われる.診断困難例については,切片から質量分析によってアミロイド構成蛋白の同定が行われている.

●補助診断として,Bence Jones蛋白(BJP)の検出,血清アミロイドA1の遺伝子解析,トランスサイレチンの変異解析(遺伝子解析だけでなく,質量分析による蛋白解析も)など,前駆物質である血漿蛋白へのアプローチがある.

参考文献

1)田崎雅義,安東由喜雄:質量分析法を用いた新たなアミロイドーシスの診断法.臨化 41:41-46,2012
2)星井嘉信:ALアミロイド沈着の組織診断.血腫瘍 47:20-25,2003
3)Yamada T:Serum amyloid A (SAA): a concise review of biology, assay methods and clinical usefulness. Clin Chem Lab Med 37:381-388,1999
4)山田俊幸:血清アミロイドAの多型.臨検 46:1021-1024,2002
5)奥田恭章,山田俊幸,高杉潔,他:慢性関節リウマチに合併した二次性アミロイドーシスにおけるSAA1,SAA2,アポリポ蛋白Eの遺伝多型と疾患感受性の検討.リウマチ 39:3-10,1999
6)Yamada T, Sato J, Okuda Y:Differential affinity of serum amyloid A1 isotypes for high-density lipoprotein. Amyloid 16:196-200,2009
7)Yamada T, Okuda Y, Takasugi K, et al:Relative serum amyloid A (SAA) values: the influence of SAA1 genotypes and corticosteroid treatment in Japanese patients with rheumatoid arthritis. Ann Rheum Dis 60:124-127,2001
8)Yamada T, Okuda Y:AA amyloid quantification in biopsy samples from stomach. Ann Clin Lab Sci 42:3-6,2012
1)山田正仁:アミロイドーシスUPDATE.医学のあゆみ 229(別冊):303-446,2009
2)厚生労働省アミロイドーシスに関する調査研究班ホームページ(http://amyloid1.umin.ne.jp/index.html)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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