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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻6号

2016年06月発行

文献概要

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病

川崎病の心エコー検査以外のモダリティでの評価

著者: 渡邉拓史1 神山浩12

所属機関: 1日本大学医学部小児科学系小児科学分野 2日本大学医学部医学教育企画・推進室

ページ範囲:P.608 - P.612

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Point

●川崎病冠動脈障害(CAL)の評価には,小児期からの反復検査が必要となる.心エコー検査に加え,特に遠隔期では冠動脈CT造影(CCTA)や冠動脈MRI(MRCA)などの低侵襲性モダリティの利用を積極的に試みる必要がある.

●モダリティは,それぞれの長所・短所を考慮して患者の身体的,時間的,経済的負担を軽減するように選択する.

●検査に伴う鎮静処置は時に重篤な合併症を起こしうるため,個々の患者の鎮静リスクの認識と合併症への迅速な対応のための事前準備をしておくことが重要である.

●“冠動脈の何をみたいのか”を含む検査情報について,臨床検査技師と医師間でコミュニケーションをとることが適正な検査の施行につながる.

参考文献

1)特定非営利活動法人日本川崎病研究センター川崎病全国調査担当グループ:第23回川崎病全国調査成績,2015(http://www.jichi.ac.jp/dph/kawasakibyou/20150924/mcls23report1013.pdf)
2)日本循環器学会,日本川崎病学会,日本胸部外科学会,他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2012年度合同研究班報告) 川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関するガイドライン(2013年改訂版),2013(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2013_ogawas_h.pdf)
3)Ozgun M, Rink M, Hoffmeier A, et al:Intraindividual comparison of 3D coronary MR angiography and coronary CT angiography. Acad Radiol 14:910-916,2007
4)Liu X, Zhao X, Huang J, et al:Comparison of 3D free-breathing coronary MR angiography and 64-MDCT angiography for detection of coronary stenosis in patients with high calcium scores. AJR Am J Roentgenol 189:1326-1332,2007
5)小山望,吉田諭史,岸田正史,他:冠動脈CT撮影時の経口β遮断薬併用の有無によるランジオロール塩酸塩の効果および安全性に関する検討.新薬と臨 62:80-86,2013
6)Fayad ZA, Fuster V, Fallon JT, et al:Noninvasive in vivo human coronary artery lumen and wall imaging using black-blood magnetic resonance imaging. Circulation 102:506-510,2000
7)鈴木淳子,林慈明,飯山利健,他:MRIによる川崎病冠動脈障害の経過観察—特に瘤内血栓の経過.Prog Med 34:1250-1256,2014
8)勝盛宏,阪井裕一,草川功,他:MRI検査を行う小児患者の鎮静管理に関する実態調査.日小児会誌 117:1167-1171,2013
9)日本小児科学会,日本小児麻酔学会,日本小児放射線学会:MRI検査時の鎮静に関する共同提言,2013
10)渡邉拓史,渡邊直樹,泉裕之:川崎病における冠動脈MRI撮影(会議録).日大医誌 71:294-295,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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