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雑誌詳細

文献概要

今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

—腎生検による組織検査法②—蛍光抗体法

著者: 堀田茂1

所属機関: 1東京女子医科大学腎臓病総合医療センター病理検査室

ページ範囲:P.658 - P.668

Point

●腎生検組織は実体顕微鏡などでよく観察し,適切に各種検体用に組織を切り分ける.時には,臨床データを参考にすることも重要である.

●腎生検組織を正しく迅速に凍結し,2〜3μmで連続切片を作製することが,その後の蛍光染色の結果に大きく影響する.

●蛍光抗体法は,フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識抗体を用いた直接法が一般的であるが,間接蛍光抗体法や蛍光多重染色を駆使することで,より正確な診断が可能となる.

●各種腎疾患における免疫染色の染色パターンや特徴を把握する.凍結標本による蛍光抗体法とパラフィン標本による酵素抗体法の染色性の違いを把握しておく.

参考文献

1)名倉宏,長村義之,堤寛:渡辺・中根酵素抗体法 改訂4版,学際企画,2002
2)亀谷光則:蛍光抗体法.分子腎臓病学実験ノート(富野康日己編),文光堂,pp63-72,1997
3)日本腎臓学会,腎病理診断標準化委員会,日本腎病理協会:腎生検病理アトラス,東京医学社,2005
4)堀田茂:腎生検に頻用される免疫組織化学(蛍光抗体法・酵素抗体法).臨床のための腎病理 標本作製から鑑別診断まで(湯村和子監修),日本医事新報社,pp34-41,2010
5)Yamamoto I, Horita S, Takahashi T, et al:Caveolin-1 expression is a distinct feature of chronic rejection-induced transplant capillaropathy. Am J Transplant 8:2627-2635,2008
6)本田一穂:抗体関連型拒絶の内皮細胞傷害.日臨腎移植会誌 3:147-154,2015

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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