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文献詳細

雑誌文献

臨床検査60巻6号

2016年06月発行

文献概要

検査説明Q&A・17

自動血球計数機の測定値には機種間差があると聞きましたが,その実態を教えてください

著者: 近藤弘1

所属機関: 1関西医療大学大学院保健医療学研究科

ページ範囲:P.680 - P.683

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■はじめに

 一般に,同じ試薬を用いても自動分析装置の機種が異なると測定値の測定精度に差が生じることを“機種間差”という.血球計数機の測定対象は液性成分ではなく細胞であるため,市販されている自動血球計数機の測定原理や試薬系は極めて多様であり,機種またはメーカー固有の測定試薬が必要になることから,これらに起因する測定値の測定精度の差をまとめて一般に機種間差あるいはメーカー間差と呼んでいる.

 本稿では,筆者が担当している公益社団法人全国労働衛生団体連合会の外部精度管理評価(external quality assessment:EQA)結果(2010〜2013年)を例にして,自動血球計数項目の機種間差の実態を述べる.このEQAプログラムでは,本調査用の加工血液試料のほかに,参考調査用として静脈血液をCPDA(citrate-phosphate-dextrose-adenine)液入り血液バッグに採血したのち,さらにエチレンジアミン四酢酸二カリウム塩二水和物(ethylenediaminetetraacetic acid dipotassium salt dihydrate:EDTA-2K)を添加した新鮮血液試料を配布している.

参考文献

1)全国労働衛生団体連合会:平成21年度(第18回)臨床検査精度管理調査結果報告書,pp153-167,222-241,2010
2)永井豊,近藤弘,川合陽子:実試料標準物質の概要—血液検査系.臨化 38:408-415,2009
3)近藤弘:血球計数参照法の運用と改良に関する提言.日検血会誌 17:79-84,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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