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増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
序文
著者: 鈴木範孝1
所属機関: 1地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院診療技術局中央検査科
ページ範囲:P.1093 - P.1093
文献購入ページに移動 呼吸機能検査は“息”を測ることであり,歴史的には,1846年,ハッチソン(Hutchinson)の肺活量の測定が端緒とされています.それから約100年遅れて,フランスのティフノー(Tiffeneau)は最大努力呼気曲線を描いて,時間内因子を加味した肺活量や1秒量を測定し,最大換気量の大きな人は時間肺活量も1秒量も高く,その逆も成立することを明確にして,呼吸機能検査の一段の進歩と普及を実現しました.その後,先駆者たちの血のにじむような努力と情熱によって,現在の呼吸生理学や臨床呼吸機能検査は確立され,現在に至っています.
一方で,今日,呼吸生理学の解釈を中心とした呼吸機能検査や,血液ガス・酸塩基平衡分析は,測定している対象が温度や気圧に大きく影響される気体であることや,最大努力を誘導させるコミュニケーション能力,そして結果の解釈,それに加えて難解な数式や専門用語,化学・物理法則,といった大きな壁の存在によって,初学者にとっては敬遠されがちな分野になっています.本書は,そのような状況を打破し,より多くの方に,呼吸生理学や呼吸機能検査に対する苦手意識を克服し,楽しく,魅力的な領域の1つとしていただけることを願って企画しました.
一方で,今日,呼吸生理学の解釈を中心とした呼吸機能検査や,血液ガス・酸塩基平衡分析は,測定している対象が温度や気圧に大きく影響される気体であることや,最大努力を誘導させるコミュニケーション能力,そして結果の解釈,それに加えて難解な数式や専門用語,化学・物理法則,といった大きな壁の存在によって,初学者にとっては敬遠されがちな分野になっています.本書は,そのような状況を打破し,より多くの方に,呼吸生理学や呼吸機能検査に対する苦手意識を克服し,楽しく,魅力的な領域の1つとしていただけることを願って企画しました.
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