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文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻10号

2017年10月発行

文献概要

増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE Part2 臨床に直結する検査の進め方

スパイロメトリー検査

著者: 上ノ宮彰1 沼倉和香1

所属機関: 1昭和大学病院生理検査室

ページ範囲:P.1160 - P.1167

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検査の概要

 スパイロメトリーとは,スパイロメータでスパイログラム(呼吸の量と時間の変化)を描き,そこから患者の呼吸の状態を把握するために量と時間の変化から肺活量や努力性肺活量,1秒率などを算出することをいいます.また,努力性肺活量の検査では,流速と呼吸の量の変化を記録したフローボリューム曲線を同時に描くことができます.スパイロメータには2つの測定原理があります.1つは直接容積を測定する方法(気量型)であり,大型装置のほとんどがこれに該当します.もう1つは気流速度を測定して容積を算出する方法(気流型)で,小型の装置に多く用いられています.

 最近の呼吸機能検査の大きな目的に,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)の早期発見が挙げられます.また,1秒量(forced expiratory volume in 1 second: FEV1)から“肺年齢”が算出されるようになり,“肺”に対する意識が向上し,健康診断でも予防医学的な一面を担っています.

参考文献

1)日本呼吸器学会肺生理専門委員会(編):呼吸機能検査ガイドライン—スパイロメトリー,フローボリューム曲線,肺拡散能力,メディカルレビュー社,2004
2)宮里逸郎:肺機能検査.Med Technol 26:127-130,1998
3)滑川妙子:気道可逆性試験の測定法.Med Technol 32:151-153,2004
4)永井厚志:オーバーラップ症候群—COPDと喘息の合併.綜合臨 60:503-507,2011
大久保輝男:検査レポート作成指南・6 呼吸機能検査(肺拡散能力)編.臨検 60:224-233,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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