icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻10号

2017年10月発行

文献概要

増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE Part2 臨床に直結する検査の進め方

機能的残気量

著者: 田村東子1

所属機関: 1虎の門病院臨床生理検査部

ページ範囲:P.1168 - P.1177

文献購入ページに移動
検査の概要

 安静呼気位の肺気量を機能的残気量(functional residual capacity:FRC)といいます.FRCの測定方法には,大きく分けてガス希釈法と体プレチスモグラフ法があります.ガス希釈法にはヘリウム(helium:He)を指示ガスとする閉鎖回路法と窒素(nitorogen:N2)を指示ガスとする開放回路法がありますが,最も普及しているHeを指示ガスとする閉鎖回路法について解説します.詳細は後述しますがこの方法では,測定装置内に肺では吸収されないHeを加え,患者に装置内のHeを呼吸してもらいます.肺にある空気が多いほどHeが大きく希釈されるので,このHeの希釈の程度から肺気量を測定します.

 体プレチスモグラフ法は,患者に密閉した箱(body box)の中に入ってもらい,肺気量,口腔内圧の変化を測定してBoyleの法則を利用して肺胸郭内にある肺容量を算出します.また,求めたFRCから予備呼気量(expiratory reserve volume:ERV)を引いて残気量(residual volume:RV)を求めます1)

参考文献

1)日本呼吸器学会肺生理専門委員会(編):臨床呼吸機能検査 第8版,メディカルレビュー社,pp315,2016
2)宮本顕二:楽しく学ぶ肺の検査と呼吸療法,メジカルビュー社,pp68-72,2007
3)自動呼吸機能検査研究会関東部会:自動呼吸機能研究会 関東部会講習会テキスト,pp46-73,2015
4)安倍紀一郎,森田敏子:関連図で理解する呼吸機能学と呼吸器疾患のしくみ—病態生理,疾患,症状,検査のつながりがわかる,日総研,pp168-174,200-202,2009
5)一ノ瀬正和(編):呼吸機能検査テキスト—原理,測定法の実際から臨床例まで,呼吸研究,pp12-16,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?