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文献概要
増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE Part2 臨床に直結する検査の進め方
呼気NO検査
著者: 松本久子1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
ページ範囲:P.1204 - P.1209
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気道壁で産生される一酸化窒素(nitric oxide:NO)は,十億分率(parts per billion:ppb)のレベルで呼気中に検出されます.呼気NO濃度は好酸球性/2型気道炎症時に高くなるため,気管支喘息の気道炎症の指標として有用です1).現在,保険で承認されている呼気NO濃度測定機器は,電気化学センサーによって測定する携帯型アナライザーです.明確な使用基準は確立されていませんが,喘息の診断や吸入ステロイド薬への反応性の予測,治療経過のモニタリングの参考にすることができます.また,吸入ステロイド薬へのアドヒアランスのチェックにも有用です.ただし,検査結果に影響する因子もいくつかあり,注意は必要です.
気道壁で産生される一酸化窒素(nitric oxide:NO)は,十億分率(parts per billion:ppb)のレベルで呼気中に検出されます.呼気NO濃度は好酸球性/2型気道炎症時に高くなるため,気管支喘息の気道炎症の指標として有用です1).現在,保険で承認されている呼気NO濃度測定機器は,電気化学センサーによって測定する携帯型アナライザーです.明確な使用基準は確立されていませんが,喘息の診断や吸入ステロイド薬への反応性の予測,治療経過のモニタリングの参考にすることができます.また,吸入ステロイド薬へのアドヒアランスのチェックにも有用です.ただし,検査結果に影響する因子もいくつかあり,注意は必要です.
参考文献
1)日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会(監),「喘息予防・管理ガイドライン2015」作成委員:喘息予防・管理ガイドライン2015,協和企画,2015
2)環境再生保全機構第8期環境保健調査研究:小児気管支ぜんそくにおける呼気NO測定ハンドブック,環境再生保全機構,2014
3)Tajiri T, Niimi A, Matsumoto H, et al:Prevalence and clinical relevance of allergic rhinitis in patients with classic asthma and cough variant asthma. Respiration 87:211-218,2014
4)松本久子:呼気中NO濃度と呼気中NO肺胞成分(alveolar NO)の臨床的意義の違いについて教えてください.検と技 44:1104-1107,2016
5)Matsunaga K, Hirano T, Kawayama T, et al:Reference ranges for exhaled nitric oxide fraction in healthy Japanese adult population. Allergol Int 59:363-367,2010
6)Matsunaga K, Hirano T, Akamatsu K, et al:Exhaled nitric oxide cutoff values for asthma diagnosis according to rhinitis and smoking status in Japanese subjects. Allergol Int 60:331-337,2011
7)Matsumoto H:Serum periostin: a novel biomarker for asthma management. Allergol Int 63:153-160,2014
8)Dweik RA, Boggs PB, Erzurum SC, et al:An official ATS clinical practice guideline: interpretation of exhaled nitric oxide levels (FENO) for clinical applications. Am J Respir Crit Care Med 184:602-615,2011
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