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文献概要
増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE Part3 フィジカルサイン&病態で読み解く呼吸器疾患 1.閉塞性換気障害
びまん性汎細気管支炎(DPB)
著者: 鈴木優毅1 伊狩潤1 巽浩一郎1
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
ページ範囲:P.1276 - P.1281
文献購入ページに移動44歳,男性.身長163cm 体重50.0kg
体容積指数(body mass index:BMI)18.8kg/m2
併存症:慢性副鼻腔炎,X連鎖無γグロブリン血症
生活歴:喫煙なし,飲酒なし,アレルギー歴は特になし
主 訴:慢性的な咳・痰,労作時息切れ,鼻閉・鼻汁
呼吸様式:腹式呼吸
頭頸部:頸部の呼吸補助筋の発達
胸 部:胸郭の拡大.両側肺野で水泡音(coarse crackle)を聴取.心雑音なし
腹 部:平坦・軟
四 肢:軽度から中等度のるい痩・筋力低下.浮腫なし
病 歴:本患者は,原発性免疫不全症を幼少期に発症して免疫グロブリン製剤補充などの治療を受けていました.30歳代から慢性的な咳・痰,労作時息切れなどの症状が出現しはじめました.その後,胸部異常陰影と呼吸器症状のコントロールのために当科へ紹介となり,呼吸機能検査と典型的な画像所見から,びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)と診断しました.
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