icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻10号

2017年10月発行

文献概要

増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE Part3 フィジカルサイン&病態で読み解く呼吸器疾患 4.集中治療室などのベッドサイドで呼吸療法が必要になる疾患

無気肺—術後無気肺,その他が原因のもの

著者: 小谷透1

所属機関: 1昭和大学医学部麻酔科学講座

ページ範囲:P.1330 - P.1334

文献購入ページに移動
症例

58歳,男性.

主 訴:呼吸困難感.

既往歴:喫煙20本/日×25年間.4週間前から禁煙中.

経 過:2カ月前の健診で血尿を指摘され,精査の結果,左腎細胞癌と診断されました.右側臥位で全身麻酔下に左腎摘出術を施行し,術後,集中治療室(intensive care unit:ICU)に入室しました.入室時の所見では血圧122/66mmHg,心拍数75回/分,呼吸数18回/分.1時間前から呼吸数が24回/分に増加しましたが,経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は酸素5L/分投与下に98%と変化はありませんでした.創部痛もあり,手術室で装着した経静脈的自己調節鎮痛法(intravenous patient-controlled analgesia:iv-PCA)のボーラス投与を使用したところ,痛みが軽減したため経過を観察していました.しかし,再度呼吸困難感を訴えるようになり,SpO2も95%に低下してきました.念のため,胸部X線検査を行ったところ,右下肺野の透過性低下と右横隔膜の挙上が確認でき,これをもとに無気肺と診断しました.

参考文献

1)3学会合同呼吸療法認定士認定委員会(編):新呼吸療法テキスト,アトムス,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?