icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻3号

2017年03月発行

文献概要

今月の特集1 血管を読み解く

バスキュラーラボの現状と今後の課題

著者: 中島里枝子12

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院総合外科学分野 2東京医科歯科大学医学部附属病院血管外科

ページ範囲:P.254 - P.259

文献購入ページに移動
Point

●バスキュラーラボ開設には,検査の長所や限界を理解した臨床医との連携が必要である.技師が臨床側の情報を得る機会も不可欠である.

●血管超音波検査は,ピンポイントで頻繁に観察できる長所を生かし,精査を積極的に引き受ける.医師と密に連携し,15〜30分で観察できるよう観察ポイントを明らかにしておく.

●血管検査において超音波検査,機能検査の両方を行うことができるのは臨床検査技師の強みである.バラバラに引き受けて結果を返すだけでなく,検査結果を一括管理することが望ましい.

●血管疾患の多くは慢性疾患であるので,臨床検査技師の役割は早期診断だけではない.長期にわたって,また,多面的に患者を見守る立場から臨むべきである.流れ作業から脱却し,患者に向き合う余裕を作ることで検査室の付加価値を生み出す可能性がある.

参考文献

1)日本脈管学会(編):下肢閉塞性動脈硬化症の診断・治療指針Ⅱ,メディカルトリビューン,2007
2)池田俊也,小林亜美,重松博,他:日本語版 WIQ(歩行障害質問票)の開発.脈管学 45:233-240,2005
3)山口拓洋,宮田哲郎,市来正孝,他:VascuQOLの信頼性と妥当性の検討.脈管学 51:347-358,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?