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文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻3号

2017年03月発行

文献概要

検査説明Q&A・26

健康診断でHCV抗体が陽性となりましたが,肝炎症状はみられないとのことです.どのように考え,どんなことに注意すればよいですか?

著者: 近藤真由子1 池田均2

所属機関: 1社会福祉法人三井記念病院消化器内科 2東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻病態診断医学講座臨床病態検査医学分野

ページ範囲:P.301 - P.303

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■C型肝炎ウイルスの診断

 C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)は1989年に米国Chiron社の研究グループによって発見された.その後,血液製剤に対してHCV検査が行われるようになり,輸血によるHCV感染はほとんどみられなくなった.現在,わが国においてはHCVの新規感染者数は激減したものの,HCV持続感染者(キャリア)は約150万〜200万人存在すると推定されている1)

 厚生労働省は,2008年から健康増進法に基づいて,健康増進事業における肝炎ウイルス検診を行っており,検診でHCV抗体が測定されるようになった.わが国におけるHCV抗体陽性率は1.4〜1.7%とされる1)

参考文献

1)日本肝臓学会(編):慢性肝炎の治療ガイド2008,文光堂,2007
2)Centers for Disease Control and Prevention (CDC):Testing for HCV infection: an update of guidance for clinicians and laboratorians. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 62:362-365,2013
3)日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会(編):C型肝炎治療ガイドライン 第5版,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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