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今月の特集2 膵臓の病気を見逃さない
自己免疫性膵炎の診断と臨床検査
著者: 川茂幸1
所属機関: 1信州大学総合健康安全センター
ページ範囲:P.728 - P.732
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●自己免疫性膵炎は血中免疫グロブリンG4(IgG4)の上昇と,病変組織へのIgG4陽性形質細胞浸潤が特徴的であり,診断に有用である.
●自己免疫性膵炎は膵腫大と閉塞性黄疸で初発することが多く,膵癌との鑑別が重要である.
●自己免疫性膵炎はIgG4関連疾患の膵病変と捉えられ,膵病変のみならず全身諸臓器の病変の検査所見のチェックが必要である.
●自己免疫性膵炎は血中免疫グロブリンG4(IgG4)の上昇と,病変組織へのIgG4陽性形質細胞浸潤が特徴的であり,診断に有用である.
●自己免疫性膵炎は膵腫大と閉塞性黄疸で初発することが多く,膵癌との鑑別が重要である.
●自己免疫性膵炎はIgG4関連疾患の膵病変と捉えられ,膵病変のみならず全身諸臓器の病変の検査所見のチェックが必要である.
参考文献
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