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文献詳細

雑誌文献

臨床検査61巻6号

2017年06月発行

文献概要

心臓物語・14

心臓支配神経—ドキドキする

著者: 島田達生12

所属機関: 1大分大学 2大分医学技術専門学校

ページ範囲:P.765 - P.765

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 実験動物において,心臓を支配する神経を切断しても心臓は動き続けている.不思議だ! 心臓は自動能をもっているので,自発的に拍動することができる.その拍動は自律神経によって調節されている.交感神経活動の亢進は,心拍数増加,刺激伝導系の伝導速度の促進,心筋収縮力増強をもたらし,副交感神経の亢進は,心拍数減少,刺激伝導系の伝導速度の遅延,心筋収縮力低下をもたらす.

 [1]は,微小解剖所見に基づいて,ヒトの脊柱の両側を走る交感神経幹とその外側にある迷走神経の走行を示した模式図である.交感神経幹の上頸,中頸,下頸(星状)神経節と胸神経節から上・中・下心臓神経が心臓に向かっている.一方,副交感性の迷走神経の上・下心臓枝と心臓肺神経も心臓に行っている.これらの神経は大動脈弓と肺動脈の間,心房周囲,冠状動脈の周りで神経叢を作っている.複雑に絡み合った心臓神経叢から派生した心臓神経は,混合性(交感性と副交感性)であり,主に刺激伝導系の洞房結節や房室結節(田原結節)に行っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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