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検査説明Q&A・34
抗微生物薬を投与するにあたって,治療薬物モニタリング(TDM)が必要なのはどのような薬剤ですか?
著者: 池谷修1
所属機関: 1慶應義塾大学病院薬剤部・感染制御部
ページ範囲:P.342 - P.346
文献購入ページに移動■治療薬物モニタリング(TDM)
一般に,薬物の効果・副作用と最も相関する因子とされるのが,薬物の体内における濃度推移(曝露量)である.そこで,薬物の体内における血中濃度を測定して,その効果を確実にし,副作用を回避するために行われるのが治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)である1).わが国においては,1980年に臨床現場でTDMに対する診療報酬が認められて以来,すでに約40年近くが経過し,個々の患者への薬物療法の最適化を行う技術として発展してきた.現時点で,TDMの診療報酬が認められている抗菌薬と抗真菌薬は3薬効分類,7薬剤である(表1).
本稿では,日常の臨床検査業務に必要な抗微生物薬のTDMの知識について解説する.
一般に,薬物の効果・副作用と最も相関する因子とされるのが,薬物の体内における濃度推移(曝露量)である.そこで,薬物の体内における血中濃度を測定して,その効果を確実にし,副作用を回避するために行われるのが治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)である1).わが国においては,1980年に臨床現場でTDMに対する診療報酬が認められて以来,すでに約40年近くが経過し,個々の患者への薬物療法の最適化を行う技術として発展してきた.現時点で,TDMの診療報酬が認められている抗菌薬と抗真菌薬は3薬効分類,7薬剤である(表1).
本稿では,日常の臨床検査業務に必要な抗微生物薬のTDMの知識について解説する.
参考文献
1)Burton ME, Shaw LM, Schentag JJ, et al:Applied Pharmacokinetics & Pharmacodynamics: Principles of Therapeutic Drug Monitoring, 4th ed. Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2006
2)日本化学療法学会,日本TDM学会,日本化学療法学会抗菌薬TDMガイドライン作成委員会:抗菌薬TDMガイドライン改訂版 第2版,日本化学療法学会/日本TDM学会,2016
添付文書(http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/780069_6119401D1035_1_07.pdf)(最終アクセス:2018年1月16日)
4)畑中徳子:検体の採取方法によって変わる検査値.薬事 58:2124-2129,2016
5)Rybak M, Lomaestro B, Rotschafer JC, et al:Therapeutic monitoring of vancomycin in adult patients: a consensus review of the American Society of Health-System Pharmacists, the Infectious Diseases Society of America, and the Society of Infectious Diseases Pharmacists. Am J Health Syst Pharm 66:82-98,2009
6)塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g添付文書(http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/340018_6113400A1120_1_08.pdf)(最終アクセス:2018年1月16日)
7)Spitzer PG, Eliopoulos GM:Systemic absorption of enteral vancomycin in a patient with pseudomembranous colitis. Ann Intern Med 100:533-534,1984
8)Matzke GR, Halstenson CE, Olson PL, et al:Systemic absorption of oral vancomycin in patients with renal insufficiency and antibiotic-associated colitis. Am J Kidney Dis 9:422-425,1987
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