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文献詳細

雑誌文献

臨床検査63巻3号

2019年03月発行

文献概要

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

頸動脈:巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)

著者: 濱口浩敏1

所属機関: 1北播磨総合医療センター脳神経内科

ページ範囲:P.222 - P.229

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Point

●巨細胞性動脈炎(GCA)の診断には,浅側頭動脈のhypoechoic haloサインが診断価値として高い.

●hypoechoic haloサインは不連続性に認めることがあるため,疼痛部位や硬結部位を中心に観察する.

●全身に炎症像が広がるため,疑った場合は全身血管の評価が必要である.

●治療はステロイドを第一選択とするが,病状に合わせて薬剤を組み合わせて治療を行う.その際,副作用に注意が必要である.

参考文献

1)日本循環器学会,日本医学放射線学会,日本眼科学会,他:2015-2016年度活動 血管炎症候群の診療ガイドライン(2017年改訂版),2018(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_isobe_h.pdf)(最終アクセス:2018年12月12日)
2)Jennette JC, Falk RJ, Bacon PA, et al:2012 revised International Chapel Hill Consensus Conference Nomenclature of Vasculitides. Arthritis Rheum 65:1-11,2013
3)Hunder GG, Bloch DA, Michel BA, et al:The American College of Rheumatology 1990 criteria for the classification of giant cell arteritis. Arthritis Rheum 33:1122-1128,1990
4)Schmidt WA, Kraft HE, Vorpahl K, et al:Color duplex ultrasonography in the diagnosis of temporal arteritis. N Engl J Med 337:1336-1342,1997
5)高坂仁美,濱口浩敏:全身血管炎にみるサイン(マカロニサイン,ハローサイン).超音波医 44:129-136,2017
6)濱口浩敏,今西孝充,高坂仁美,他:診断,治療効果の判定に側頭動脈エコー検査が有用であった側頭動脈炎症例の検討.Neurosonology 21:107-111,2008
7)高坂仁美,濱口浩敏,福住典子,他:血管炎症候群による椎骨動脈病変に対するエコーを用いた検討.Neurosonology 28:41-44,2015
8)高坂仁美,濱口浩敏,福住典子,他:血管エコーが診断や病態把握に有用で,両側上肢動脈狭窄に対して血管内治療が行われた巨細胞性動脈炎の1症例.脈管学 55:95-99,2015
9)高坂仁美,濱口浩敏:側頭動脈炎.CT・MRI・血管造影にも強くなる! 画像を読み解け 血管エコー典型画像集(松尾汎監,濱口浩敏編),メディカ出版,pp178-182,2014
10)沖都麦,濱口浩敏,今西孝充,他:エコー上総頸動脈にmacaroni signを呈した側頭動脈炎の2例.脈管学 52:259-263,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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