文献詳細
文献概要
今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない
腹部大動脈瘤:エンドリーク
著者: 山本哲也1
所属機関: 1埼玉医科大学国際医療センター中央検査部
ページ範囲:P.250 - P.257
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●術後早期,ステントグラフト側から複数個所漏れる血流シグナルが検出される場合,type Ⅳエンドリークを疑う.
●type Ⅳエンドリークは,最も頻度が低く術後数日で自然閉鎖する特徴を有し,検査室で見掛けることが少ない.
●エンドリーク例では,瘤内部血栓化領域に境界明瞭な低輝度エコー(あるいは無エコー)領域を認めることが多く,同部位に流動エコーが観察される.
●エンドリーク例では瘤の拡大や破裂の発生率が高く,遠隔期成績は不良である.通常,type Ⅰとtype Ⅲは追加治療,type Ⅱとtype Ⅳは経過観察となる.
●術後早期,ステントグラフト側から複数個所漏れる血流シグナルが検出される場合,type Ⅳエンドリークを疑う.
●type Ⅳエンドリークは,最も頻度が低く術後数日で自然閉鎖する特徴を有し,検査室で見掛けることが少ない.
●エンドリーク例では,瘤内部血栓化領域に境界明瞭な低輝度エコー(あるいは無エコー)領域を認めることが多く,同部位に流動エコーが観察される.
●エンドリーク例では瘤の拡大や破裂の発生率が高く,遠隔期成績は不良である.通常,type Ⅰとtype Ⅲは追加治療,type Ⅱとtype Ⅳは経過観察となる.
参考文献
1)Parodi JC, Palmaz JC, Barone HD:Transfemoral intraluminal graft implantation for abdominal aortic aneurysms. Ann Vasc Surg 5:491-499,1991
2)山本哲也,松村誠,加藤雅明:Stentgraft留置術後の血管超音波検査によるendoleakの有無と動脈瘤径変化の検討.超音波検技 30:395-401,2005
3)日本ステントグラフト実施基準管理委員会:治療成績(公開),腹部大動脈瘤ステントグラフト治療成績(http://stentgraft.jp/pro/result/)(最終アクセス:2018年10月29日)
4)山本哲也,松村誠,許俊鋭,他:stentgraft留置術後の血管超音波検査による動脈瘤径変化の検討.超音波医 31(Suppl):S171,2004
5)山本哲也:超音波基礎技術テキスト 4章 基礎理論の臨床応用技術 血管領域.超音波検技 37:S229-S250,2012
6)小谷敦志,佐賀俊彦:腹部大動脈ステントグラフト内挿術後の超音波による評価.超音波医 44:365-373,2017
7)金岡祐司:腹部大動脈瘤の治療.心エコー 16:1070-1078,2015
8)山本哲也,松村誠,許俊鋭,他:大動脈Stentgraft留置術後の血管エコーの有用性.超音波医 30:267,2003
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