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今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない
上肢動脈・静脈:胸郭出口症候群
著者: 渡部芳子1
所属機関: 1川崎医科大学生理学1
ページ範囲:P.295 - P.300
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●胸郭出口症候群(TOS)は,神経性TOSが大多数を占め,症状が上肢の挙上によって増悪するタイプと,上肢の下垂によって増悪するタイプがある.
●動脈性および静脈性TOSは,手の虚血やうっ血症状の出現があり,圧迫に起因した血管の器質的変化がみられるものを指す.
●理学所見や画像検査で動脈や静脈に圧迫がみられるだけでは,TOSとは診断できない.
●血管の圧迫所見は,神経性TOSにおける狭窄部位の同定に役立つ.しかし,明らかな所見がない場合でも,神経性TOSの否定はできない.
●胸郭出口症候群(TOS)は,神経性TOSが大多数を占め,症状が上肢の挙上によって増悪するタイプと,上肢の下垂によって増悪するタイプがある.
●動脈性および静脈性TOSは,手の虚血やうっ血症状の出現があり,圧迫に起因した血管の器質的変化がみられるものを指す.
●理学所見や画像検査で動脈や静脈に圧迫がみられるだけでは,TOSとは診断できない.
●血管の圧迫所見は,神経性TOSにおける狭窄部位の同定に役立つ.しかし,明らかな所見がない場合でも,神経性TOSの否定はできない.
参考文献
1)井手淳二:胸郭出口症候群.Loco Cure 4:22-27,2018
2)船越忠直,古島弘三:投球障害の診断.Orthopaedics 30:139-146,2017
3)齋藤貴徳:胸郭出口症候群.整外看 10:370-378,2005
4)柴田陽三:胸郭出口症候群.医と薬学 66:35-39,2011
5)井上彰,古島弘三,草野寛,他:胸郭出口症候群診断のための斜角筋三角底辺間距離計測の信頼性と再現性 術前超音波所見と術中内視鏡所見との比較.日整外スポーツ医会誌 38:51-56,2018
6)笹嶋唯博:ピットフォール 胸郭出口症候群.呼吸 29:167-171,2010
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