文献詳細
増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
1章 全身疾患
文献概要
浮腫とは,組織間液が増加し,体の一部が腫脹して観察される状態をいう.一般的に多く認められる浮腫は,間質に水分が貯留した圧痕性浮腫である.浮腫の分布や性状は一様ではなく,さまざまな原因より引き起こされる.分布が全身性か局所性(両側性,片側性)か,また,性状が圧痕性か非圧痕性かを確認することが重要である.全身性浮腫の原因として主要なものは,腎性,肝性,心原性であり,緊急加療を必要とすることもあるため注意を要する.一方,局所性浮腫の原因である深部静脈血栓症(DVT)では肺血栓塞栓症を合併することもあり,蜂窩織炎では治療が遅れることにより敗血症に至る可能性があるので,浮腫をみた際は,重篤な病態となりうることも念頭に置いておく必要がある.
参考文献
●藤井秀毅:浮腫(非循環器系).今日の診断指針(金澤一郎,永井良三編),医学書院,pp38-40,2015
●深川雅史,柴垣有吾:より理解を深める! 体液電解質異常と輸液 改訂3版,中外医学社,2007
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