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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 1章 全身疾患
脱水(熱中症含む)
著者: 木村守次1
所属機関: 1東海大学医学部腎内分泌代謝内科
ページ範囲:P.350 - P.351
文献購入ページに移動 脱水とは体液量が減少した状態で,英語では溶質を含まない水(自由水)の不足(dehydration)とナトリウム(Na)を含んだ水(細胞外液など)の不足(volume depletion)などに分けられる.その原因は,水の摂取不足,喪失のいずれか,もしくは両方によるものである.水摂取不足の原因としては意識障害や消化器症状などが挙げられ,喪失に関しては腎臓による喪失(腎性)とそれ以外(腎外性)に分けられる.また,脱水症は,張度(後述)により低張性,等張性,高張性に分類される.熱中症は,高温,多湿環境下での体温上昇→発汗による体温上昇抑制→脱水,電解質の喪失→発汗抑制→体温上昇により多臓器に障害を生じるが,熱中症における脱水は,高張性脱水に分類されることが多い(表1).
参考文献
1)深川雅史,柴垣有吾:より理解を深める! 体液電解質異常と輸液 改訂3版,中外医学社,2007
●北岡建樹:よくわかる輸液療法のすべて 改訂第2版,永井書店,2010
●遠藤正之:よくわかる水電解質・輸液,中外医学社,2003
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