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雑誌詳細

文献概要

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 1章 全身疾患

黄疸

著者: 海老原裕磨1

所属機関: 1北海道大学病院消化器外科Ⅱ

ページ範囲:P.354 - P.355

 黄疸とは,ビリルビン代謝が疾患により破綻し,血清をはじめとする体液にビリルビンが貯留した状態である.黄疸の診断・治療には,体内におけるビリルビン代謝経路を理解する必要がある.ビリルビンは赤血球中のヘモグロビンが変化してできた物質で,肝臓で作られる胆汁の主成分の1つである.赤血球が分解され,血液中から肝臓へ運ばれたビリルビンは肝細胞内でグルクロン酸抱合を受け,胆汁の成分として胆管内に排泄される.これらのビリルビン代謝のいずれかが障害されることにより,高ビリルビン血症(黄疸)となる.黄疸の原因は,肝胆道疾患の存在,溶血性血液疾患など多岐にわたり,緊急処置が必要となる場合も多いため,その診断は迅速かつ正確であることが求められる.

参考文献

1)大屋敏秀,田妻進:黄疸へのアプローチ 理詰めで診断にいたる.内科 119:1069-1074,2017
2)吉田俊彦:生体色素(T-Bil,D-Bil).臨検 59:1181-1184,2015

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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