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文献詳細

雑誌文献

臨床検査63巻4号

2019年04月発行

文献概要

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 1章 全身疾患

呼吸性アシドーシス・アルカローシス

著者: 徳山博文1 伊藤裕1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝科

ページ範囲:P.372 - P.373

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 体内に酸が負荷されると,緊急避難緩衝系によって動脈血水素イオン指数(pH)の急激な低下は避けられるが(図1,①),重炭酸イオン(HCO3-)濃度の低下は免れない.ここで,腎臓が中性物質から同量のHとHCO3-を生成して(図1,②),Hは尿中に排泄し,HCO3-は体内に回収することを行っている(図1,③).腎でのHCO3-の調整機構は,近位尿細管におけるHCO3-の再吸収,皮質集合管でのHCO3-の産生(Hの排泄)である.不揮発性酸の排泄は皮質集合管でのHの分泌そのもので起こるのではなく,それによる尿pHの低下によって,滴定酸(HPO42−)やNH3がバッファーとなってHを受け取り,尿pHを下げ過ぎないようにして行われる.1日の代謝活動により約15,000molのCO2が末梢で産生されるといわれ,呼気中に排出される(図1,④).肺でのCO2排泄は換気量に依存する.換気は延髄,頸動脈での化学受容体により,動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)と動脈血酸素分圧(PaO2)によって調整される.呼吸性アシドーシスは換気低下によって起こり,呼吸性アルカローシスは過換気によって起こる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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