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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 3章 消化器疾患
アルコール性肝障害
著者: 堀江義則1
所属機関: 1湘南慶育病院消化器内科
ページ範囲:P.410 - P.411
文献購入ページに移動 アルコール性肝障害とは,長期にわたる過剰の飲酒(1日平均純エタノール男性60g,女性40g以上の飲酒)が肝障害の主な原因と考えられる病態で,禁酒により,血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびγ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)〔γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)〕値が明らかに改善するものを指す.単一所見でアルコール性肝障害の診断を確定するような有力な血液検査は存在せず,種々の指標を組み合わせて診断に至ることになる.病型としては,アルコール性脂肪肝,アルコール性肝炎,アルコール性肝線維症,アルコール性肝硬変,アルコール性肝細胞癌があり,脂肪肝や肝硬変の診断に加え,肝細胞癌の診断に画像検査が重要である.
参考文献
1)堀江義則,山岸由幸,海老沼浩利,他:本邦におけるアルコール性肝炎の重症度判定のための新しいスコア.肝臓 53:429-431,2012
●堤幹宏:アルコール性肝障害の病型 欧米との相違と問題点.日消誌 112:1623-1629,2015
●高後裕(編):最新医学別冊 新しい診断と治療のABC 62/消化器9 アルコール性肝障害,最新医学社,2009
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