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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 4章 循環器疾患
徐脈性不整脈
著者: 奥村謙1
所属機関: 1済生会熊本病院心臓血管センター循環器内科
ページ範囲:P.436 - P.438
文献購入ページに移動 徐脈性不整脈には洞不全症候群と房室ブロックが含まれる.症状は徐脈の程度,心機能障害の程度によりさまざまであり,無症候例から,めまい,立ちくらみ,失神発作の脳虚血症状(Adams-Stokes発作)を示す例,倦怠感,呼吸困難の心不全症状を示す例まである.診断は心電図で行われ,一過性の徐脈には長時間心電図記録が,原因不明の失神に対しては植込み型心電計が有用である.心電図診断とともに原因検索が大切で,薬物の影響〔β遮断薬,ジゴキシン,カルシウム(Ca)拮抗薬,抗不整脈薬など〕,高カリウム血症(腎不全),急性冠症候群,急性心筋炎,サルコイドーシスの有無に注意する.原因不明または原因を除去しても徐脈が持続する場合は,ペースメーカー治療の適応となる.
参考文献
●夛田浩:徐脈性不整脈.内科学 第11版(矢﨑義雄総編集),朝倉書店,pp500-507,2017
●日本循環器学会,日本胸部外科学会,日本人工臓器学会,他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2010年度合同研究班報告) 不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版),2011(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_okumura_h.pdf)(最終アクセス:2019年2月7日)
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