文献詳細
増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
4章 循環器疾患
文献概要
深部静脈に生じた血栓症を深部静脈血栓症(DVT)と呼び,頻度が下肢に高い.下肢に腫脹,疼痛,発赤などをきたす.DVTが塞栓化して突然死の原因となる肺血栓塞栓症(PTE)を合併することがあり,早期に確実な診断を行い抗凝固療法で治療介入すると,下肢痛などの下肢症状の改善,肺塞栓症の合併の減少と軽症化,下肢の血栓症後後遺症(下腿潰瘍,腫脹,疼痛など)を軽減することができるので,速やかな診断を必要とする.一方で,下肢腫脹にはDVT以外に多くの原因があるため,下肢DVTの除外診断にDダイマー検査が用いられ,確定診断に下肢静脈超音波検査が行われる1,2).
参考文献
1)日本循環器学会,日本医学放射線学会,日本胸部外科学会,他(編):2016-2017年度活動 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017年改訂版),2018(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_ito_h.pdf)(最終アクセス:2019年2月12日)
2)松尾汎,佐戸川弘之,小川智弘,他:超音波標準的超音波による深部静脈血栓症・下肢静脈瘤の標準的評価法.超音波医 29:363-394,2018
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