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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 5章 呼吸器疾患
ニューモシスティス肺炎
著者: 石田直1
所属機関: 1公益財団法人倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
ページ範囲:P.468 - P.469
文献購入ページに移動 ニューモシスティス肺炎(PCP)は,真菌の一種であるPneumocystis jiroveciiを病原体とする,免疫不全のある宿主に発症する日和見感染症である.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者における代表的な肺炎であるが,ステロイドや免疫抑制剤,抗癌剤使用患者,生物学的製剤使用,血液腫瘍,移植患者など種々の免疫抑制状態が発症の危険因子となる.
発熱や乾性咳嗽,呼吸困難が主な臨床症状であり,胸部X線では肺野にびまん性に広がるすりガラス陰影が特徴である.死亡率はHIV症例で約10%,非HIV症例で約30〜40%とされており,早期発見,治療が必要となる.
発熱や乾性咳嗽,呼吸困難が主な臨床症状であり,胸部X線では肺野にびまん性に広がるすりガラス陰影が特徴である.死亡率はHIV症例で約10%,非HIV症例で約30〜40%とされており,早期発見,治療が必要となる.
参考文献
1)吉田耕一郎:(1→3)-β-D-グルカン.臨検 60:440-446,2016
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3)Tasaka S, Hasegawa N, Kobayashi S, et al:Serum indicators fir the diagnosis of Pneumocystis pneumonia. Chest 131:1173-1180,2007
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●徳田均:ニューモシスチス肺炎の診断,治療,予防.日臨腎移植会誌 3:9-17,2015
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