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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 5章 呼吸器疾患
マイコプラズマ肺炎
著者: 寺本信嗣1
所属機関: 1東京医科大学八王子医療センター呼吸器内科
ページ範囲:P.470 - P.471
文献購入ページに移動 マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae,肺炎マイコプラズマ)は,小児〜30歳代の成人における呼吸器感染症の代表的な病原体で,年間に人口の5〜10%が罹患する.症状はかぜに似た感冒症状,発熱で,乾いた咳が長く続くのが特徴である.肺炎を発症することはまれであるが,小児のかぜや気管支炎の代表的疾患の1つであり,診療機会が多い.病原体の分離培養に時間がかかるため,診断には,免疫グロブリン(Ig)Mを測定する血清抗体検査を用いてきた.近年,簡易酵素免疫測定法(EIA法)キットのIgM抗体検査やLAMP法によるマイコプラズマ核酸同定検査が導入されている.さらに,患者の咽頭から採取した検体でのイムノクロマト法による診断薬が普及してきた.ただし,菌が一定量に増えないと感度に乏しい問題が残っている.
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