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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 5章 呼吸器疾患
間質性肺炎
著者: 林宏紀1 吾妻安良太1
所属機関: 1日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科分野
ページ範囲:P.476 - P.478
文献購入ページに移動 間質性肺炎は,肺胞の壁に炎症や損傷が起こり,壁が厚く硬くなる(線維化)ため,酸素を取り込みにくくなる病気である.間質性肺炎のうち,膠原病や薬剤,吸入性(慢性過敏性肺臓炎),サルコイドーシスなどを除外した原因不明なものを特発性間質性肺炎(IIPs)と総称する.進行性に高度の線維化,蜂巣肺の形成をきたす特発性肺線維症(IPF)がその半数以上を占める.その生存期間中央値は診断時から約3年と,極めて予後不良の疾患であるが,近年,抗線維化薬のピルフェニドン(pirfenidone),ニンテダニブ(nintedanib)が広く使われるようになり,その有効性を示す報告がみられる.呼吸機能,動脈血液ガス,血液検査は診断時,そして病勢の把握に重要である.
参考文献
1)日本呼吸器学会肺生理専門委員会(編):スパイロメトリーと肺気量.臨床呼吸機能検査 第8版,メディカルレビュー社,p11,2016
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