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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 6章 腎疾患
急速進行性糸球体腎炎
著者: 木村秀樹1
所属機関: 1福井大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.486 - P.487
文献購入ページに移動 急速進行性糸球体腎炎(RPGN)は,腎炎を示す尿所見を伴い数週から数カ月の経過で急速に腎不全が進行する症候群で,急性あるいは潜在性に血尿,蛋白尿,貧血が合併する.血清C反応性蛋白質(CRP)の上昇があり,尿沈渣では,変形赤血球,白血球,赤血球・白血球・顆粒円柱などを認める.腎病理では,糸球体の基底膜の破壊と炎症が強い半月体形成性糸球体腎炎を呈する.障害機序は抗好中球細胞質抗体(ANCA)による好中球活性化が関与する微量免疫型,抗基底膜抗体と免疫複合体が関与する免疫型に分類される.クレアチニン(Cr),年齢,肺病変,CRPで臨床重症度が分類され,重症度が高いほど生命予後が不良(高度では3年生存率が約50%)であり,ステロイド・シクロホスファミドを軸とした早期治療が重要である.
参考文献
●松尾清一(監),厚生労働省難治性疾患克服研究事業進行性腎障害に関する調査研究班(編):エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2014,東京医学社,2014
●難病情報センター:急速進行性糸球体腎炎(指定難病220)(http://www.nanbyou.or.jp/entry/235)(最終アクセス:2019年2月8日)
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