文献詳細
文献概要
増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 7章 血液・造血器疾患
急性白血病
著者: 小笠原洋治1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院中央検査部/腫瘍・血液内科
ページ範囲:P.494 - P.497
文献購入ページに移動 急性白血病は,造血幹細胞が骨髄内で分化・成熟していく過程のある段階(前駆細胞レベル)で腫瘍化し,腫瘍化した芽球(白血病細胞)によって臓器浸潤や正常造血の抑制が引き起こされる疾患である.1976年以降,白血病診断は形態学に基づいたFAB分類で行われていたが,現在は特異的染色体異常や融合遺伝子,遺伝子変異の有無,細胞起源を重視した世界保健機関(WHO)分類により行われている.最終的には遺伝子変異や細胞表面マーカーなどの詳細な検査結果も踏まえたうえで確定診断に至るが,急性白血病診断の第一歩は,基本的な臨床検査や血球形態観察から急性白血病を疑うことであり,臨床検査技師と医師が連携して速やかに次のステップに移ることが重要である.
参考文献
1)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al:WHO classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues, revised 4th ed. IARC Press, Lyon, 2017
2)木崎昌弘:急性白血病.スタンダード検査血液学 第3版(日本検査血液学会編),医歯薬出版,pp228-248,2014
掲載誌情報