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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 7章 血液・造血器疾患
血球貪食症候群
著者: 高見昭良1
所属機関: 1愛知医科大学医学部血液内科
ページ範囲:P.502 - P.503
文献購入ページに移動 血球貪食症候群(HPS)は,血球貪食性リンパ組織球症(HLH)とも呼ばれる全身炎症性疾患である.国内全体の発症率は年間80万人に1人,主に常染色体劣性遺伝病でパーフォリン関連遺伝子異常を有する家族性血球貪食症候群(FHL)の頻度は出生5〜30万人に1人である.HPS/HLHの半数は1歳未満に発症し,1〜29歳が25%,残りは30歳以上である.ただし全年齢で生じ得る.遺伝性または遺伝子異常が証明できれば一次性(遺伝性)HPS/HLH,それ以外は二次性(後天性)HPS/HLHと診断される.感染症,特に典型例では,EB(Epstein-Barr)ウイルス感染を契機に発症する.HPS/HLHでは,最終的に,マクロファージが活性化・増殖し,血球など自己(宿主)細胞が貪食・融解され,高サイトカイン血症となる(図1).
参考文献
1)Allen CE, Yu X, Kozinetz CA, et al:Highly elevated ferritin levels and the diagnosis of hemophagocytic lymphohistiocytosis. Pediatr Blood Cancer 50:1227-1235,2008
2)Niece JA, Rogers ZR, Ahmad N, et al: Hemophagocytic lymphohistiocytosis in Texas: observations on ethnicity and race. Pediatr Blood Cancer 54:424-428,2010
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