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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 10章 膠原病・免疫疾患
抗リン脂質抗体症候群
著者: 家子正裕1
所属機関: 1北海道医療大学歯学部内科学分野
ページ範囲:P.532 - P.533
文献購入ページに移動 抗リン脂質抗体症候群(APS)は,抗リン脂質抗体(aPL)が血中に証明され,動静脈血栓症や妊娠合併症を臨床症状とする症候群である.APSに関連するaPLは,抗カルジオリピン抗体(aCL),抗β2-グリコプロテインⅠ抗体(aβ2GPⅠ)およびループスアンチコアグラント(LA)である.APSの臨床症状は深部静脈血栓症が多く,次いで脳梗塞(一過性脳虚血発作),血小板減少症,妊娠合併症である.APS診断は,APS分類基準(Sapporo Criteriaの2006年シドニー改変,表1)1)が用いられる.すなわち,臨床所見に加え,検査所見が12週間以上離れて2回以上検出された場合にAPSと判断する.
参考文献
1)Miyakis S, Lockshin MD, Atsumi T, et al:International consensus statement on an update of the classification criteria for definite antiphospholipid syndrome (APS). J Thromb Haemost 4:295-306,2006
2)山﨑哲,内藤澄悦,静怜子,他:APTT検査およびループスアンチコアグラント検査の標準化.日血栓止血会誌 27:636-643,2016
3)家子正裕:クロスミキシング試験を臨床に活かすには.医療と検機器・試薬 35:867-872,2012
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