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文献詳細

雑誌文献

臨床検査63巻4号

2019年04月発行

文献概要

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 11章 感染性疾患・寄生動物疾患

腸管出血性大腸菌感染症

著者: 中嶋一彦1 竹末芳生1

所属機関: 1兵庫医科大学感染制御部

ページ範囲:P.542 - P.543

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 腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症はベロ毒素(VT1,VT2)(または志賀毒素)を産生するEscherichia coliにより生じる感染性腸炎であり,わが国では毎年4,000名前後の発生報告がある.菌に汚染された食肉の摂食以外に,さまざまな食品や水系,ヒト-ヒトを介した感染もみられる.平均3〜5日程度の潜伏期間の後,下痢,血便,腹痛などの消化器症状がみられる.また,下痢出現後数日〜2週間後に5〜10%に溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併する.HUSは貧血,血小板減少,急性腎機能障害を3主徴とし,1〜5%体の致死率である.軽症のEHEC感染症でもHUSを伴うことがあり,尿検査,血液検査による厳重な観察が要である.

参考文献

1)国立感染症研究所:腸管出血性大腸菌(EHEC)検査・診断マニュアル 2017年2月改訂,2017(https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/EHEC20170215.pdf)(最終アクセス:2019年2月13日)
2)溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン作成班(編):溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン,東京医学社,2014
3)Karpman D, Loos S, Tati R, et al:Haemolytic uraemic syndrome. J Intern Med 281:123-148,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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