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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 14章 小児疾患
肥厚性幽門狭窄症
著者: 増本幸二1
所属機関: 1筑波大学医学医療系小児外科
ページ範囲:P.562 - P.563
文献購入ページに移動 肥厚性幽門狭窄症(以下,本症)は,胃幽門部の筋層(主に輪状筋)が進行性に肥厚し,幽門管が狭くなることで,胃内容の通過障害をきたす疾患である.乳児期に多く,生後2〜3週ごろより症状が出現する.病状の進行により噴水状の嘔吐(非胆汁性)となり,頻回に胃内容や胃液を嘔吐するため脱水となっていることが多い.血液検査では血清クロールイオンの低下と,それに伴う代謝性アルカローシスを呈する.
本症が疑われた場合,その診断は,触診で肥厚した幽門部を(オリーブ様)腫瘤として捉えることとされてきたが,実際の臨床の場では,幽門部の肥厚が非侵襲的に確認できる腹部超音波検査による診断が主流になっている.
本症が疑われた場合,その診断は,触診で肥厚した幽門部を(オリーブ様)腫瘤として捉えることとされてきたが,実際の臨床の場では,幽門部の肥厚が非侵襲的に確認できる腹部超音波検査による診断が主流になっている.
参考文献
●土岐彰:胃・十二指腸 肥厚性幽門狭窄症.標準小児外科学 第7版(高松英夫,福澤正洋監,上野滋,仁尾正記,奥山宏臣編),医学書院,pp172-173,2017
●前田貢作:各論 胃 肥厚性幽門狭窄症.小児栄養消化器肝臓病学(日本小児栄養消化器肝臓学会編),診断と治療社,pp205-207,2014
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