文献詳細
文献概要
増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ 14章 小児疾患
腸重積症
著者: 上野滋1
所属機関: 1東海大学医学部外科学系小児外科学
ページ範囲:P.564 - P.565
文献購入ページに移動 腸重積症では,腸管がすぐ肛門側の腸管に引き込まれて重なり,その結果,腸管の血流障害により絞扼性イレウスの病態をきたす.代表的な小児救急疾患で,乳児期に好発する.腹痛(不機嫌),嘔吐,血便を呈し,死亡することもあるため,適切な診療が求められる.早期診断には超音波検査が極めて有用で,腸重積症を疑った小児では,特徴的なtarget signを見逃さないようにする.超音波検査による腸管血流の消失,腸管重積部の液体貯留,病的先進部の存在,白血球数増多,C反応性蛋白質(CRP)高値,腹部X線写真での遊離ガス像や腸閉塞所見はより重症であることを示す.
参考文献
1)日本小児救急医学会(監),日本小児救急医学会ガイドライン作成委員会(編):エビデンスに基づいた小児腸重積症の診療ガイドライン,へるす出版,2012(http://www.convention-axcess.com/jsep/doc/annai/20121017_Guideline.pdf)(最終アクセス:2019年2月13日)
●上野滋:小腸・大腸 腸重積症.標準小児外科学 第7版(高松英夫,福澤正洋監,上野滋,仁尾正記,奥山宏臣編),医学書院,pp182-184,2017
掲載誌情報